白血病という癌。私たちに、出来ること。

白血病という癌。私たちに、出来ること。
   

こんにちわ、kazuです。

寒暖差にやられ、完全に体調を崩しました。

以前も書きましたが、癌を患ってからどうにも免疫が落ちた気がします。

基礎的な力が落ちてしまった以上は、日頃の生活習慣で補うしかないですなぁ。

さてさて、今回はまたちょっと番外ということで、「骨髄移植」のお話をしたいと思います。

実は私、かなり昔ですが骨髄提供をしたことがあります。

名前くらいは誰でも聞いたことがあるけど、実際どんなものなのかは残念ながらあまり知られていません。

そこでドナー経験者の私が、ドナー視点で「骨髄移植」のことを説明させて頂きます。

骨髄移植って?

公益財団法人である「日本骨髄バンク」が行っている活動で、要約してしまえば

「白血病などで自分の骨髄液が上手に機能しない患者さんに、健全な方から骨髄液を提供し病気の治療を行う」

ということですね。

骨髄液というのは血液を作り出すところで、そこに異常があると正常に機能する血液が創れません。

ご存知のように血液とは、酸素を始め身体の隅々に生命活動に必要なものを運んでいます。

その機能が失われるということは、最終的には死に至る可能性があるということです。

その前に健康な骨髄と交換するのが「骨髄移植」ということですね。

ドナー登録

「骨髄液で困ってる人がいたら助けてもいいよー」という方は、まず「ドナー登録」をします。

登録方法は、申請書(骨髄バンクHPよりDL可)を記入して、登録のできる病院に持参するだけです。

その際に採血を行い、そのデータを骨髄バンクが登録し、移植の必要な患者さんがいたら照合するという流れです。

もちろん費用はかかりません。

登録のきっかけ

私がドナー登録をしたのは17年ほど前で、ちょうど20歳になった時でした。

ドナーになろうと決めたのは、私自身が尊敬してやまないある方が骨髄バンクの活動に賛同していたからです。

その方がその活動をしていたのは私が高校生の頃で、残念ながら高校生では登録ができなかったため、20歳になったのをきっかけに登録しました。

はっきり言って「骨髄移植」がどういうものなのか全くわかっておらず登録しました。

しかし登録の意思は相当固かったのを覚えています。

私が20歳の時点で、登録のきっかけを作ってくれた方は既に他界しておりました。

その方が生きていた証、とか、意思を継ぐ、とかいうとかなり大げさですが、私の中では骨髄バンクの登録は彼との繋がりのような気がしてました。

そんなわけで、かなりミーハーな心持ちで登録をいたしました。

ドナーに選ばれる

そして私がドナーに選ばれる日が来ます。

それは登録から2年が過ぎた頃でした。

1通の封書が届きました。

「あなたのHLAが適合しました」と書いてあります。

HLAとは骨髄の型のことですね。

骨髄提供には5日程度の入院が必要です。さらに提供までの間に何度か病院に行き、検査をしなければいけません。

私は当時東京の方で働いていたのですが、職場に事情を説明し、1週間の休みを頂く許可を貰いました。

そして骨髄提供を行う意思があると返事をしました。

ここで1つ、覚えて頂きたいことがあります。それは

「ドナー登録をしていても、骨髄提供は断ることができる」ということです。

大事なことなので2回言います。「適合通知が来ても、断れるんです」

登録して、自分が選ばれたら必ず提供しなければいけないのではないんです。

そうは言っても、相手からすれば生き死にが関わってることですから、なかなか断れないですよね。

なのでもう1つ覚えてください。

「HLAが合うのはあなただけじゃない」

そうなんです。あなたが断っても、2番目、3番目の候補者がいます。

しかしそれは十分な登録者数がいれば、の話になるのですが。

そのためには、まず登録者数が増えるのが大前提ですよね。

なので、「無理なら断れる」ということを念頭に置いて、とりあえず登録だけでもしてみる。そして適合した時に無理がないようならドナーになる。というスタンスで十分なんです。

もし、興味がある方はご一考願います。

提供までの流れ

さて、「提供の意思」を伝えた私は、何度かの検診(3回くらいだったかな)を受け、正式にドナーに選ばれます。

せっかく許可を頂いた職場でしたが、その頃には別の職場へ転職していました。最初の通知から提供までは実に半年近い時間がかかります。こちらの準備もあれば、あちらの準備もありますしね。

新しい職場では入社の時に説明をしていたため、スムーズに休みを頂けました。

提供は静岡の赤十字病院で行われるため、検診もそこで行われました。

当たり前ですが提供自体は無報酬です。休業補償もありません。献血と同じであくまでボランティアの精神でお願いします、ということですね。

その代わり検診や提供時の入院にかかった交通費はきちんと出ます。新幹線を使う距離ならその分も出ます。

それとは別に、入院は色々と物入りのため入院準備金として5千円が支払われます。

そして最後の検診を終えた後に、最後の意思確認が行われます。ここで「提供します」という返事をした後はどんな事情があろうと提供を断ることはできません。(提供者本人に身体的な問題が出れば別ですが)最悪の場合は罪に問われることもあるそうです。

それは提供される側も最終段階に入り、骨髄を抜ききって空の状態になるからで、それ以降に骨髄を提供されなければ確実に死ぬからです。

裏を返せば、ここまでの段階であれば断ることができるということですね。

いざ提供

いよいよ提供の時です。

前泊の入院となり、手術は2日目の午前に行われます。全身麻酔なので寝ている間に終わるのですが、2〜3時間程度の見込みだそうです。

ちなみにお部屋は完全個室で、部屋にシャワーもトイレも完備のVIPルームでした。

手術はいたって簡単な話で、腰のあたりに針を刺し骨髄液を抜く。それだけ。

ただし1か所から大量に抜くのは危険らしく、何か所か分けて抜くそうです。私の場合は表面上は3か所から針を刺し、皮膚(肉?)の中で針の向きを変え66か所から抜いたそうです(ヒェェェェ)

お昼頃に自室で目を覚ましました。当日はベッド上安静となりますが、翌日からは自由に動けます。腰も鈍痛程度で、痛くて動けないというほどではありませんでした。

手術は無事終わり、私の骨髄液は無事患者さんのところへ旅立って行きました。

そして5泊の入院を終え、私は元の生活へと戻って行きました。

その後

骨髄提供は、ドナーと患者に利害関係が発生しないようお互いに匿名で行われます。

私の場合は国内の方で、女性であるということは教えてもらえましたが、そこまでです。

そして説明の段階で聞いていたのですが、提供が成功しても患者さんの生存率は50%くらいだそうです。

どうなったのか気になりますが、祈るより他ないのが実際のところです。

しかし、提供から1年以上が経過した頃、骨髄バンクより1通の手紙が届きます。

「thank you letter」と言われるものでした。これは患者さんが提供者に対し、1度限りで手紙を出せる制度です。もちろん中身は骨髄バンクによって閲覧されますが、感謝の気持ちを伝えるためのお手紙でした。

内容は伏せますが、まず、「無事に生きていた」こと、そして「回復に向かっている」ということが書いてありました。私は嬉しくてたまりませんでした。

私がいつもの生活に戻っていた1年間は、その方にとっては辛い闘病の1年間だったのですね。

ところどころが涙で滲んだその手紙には最後に

「あなたは1人の命を救いました。そのことだけはどうか忘れないでください」と結んでありました。

この短い1文、これこそが「骨髄提供」を表す言葉そのものだと私は思います。

「人の命を救う」ただそれだけです。

最後に

骨髄提供は、簡単にできるものではないと思います。

私は簡単に書きましたが、それでも1歩踏み出せない方も多いと思います。当然です。

大切なことなので3度目書きますが、

「登録後でも断ることもできる。だから登録だけでもしよう!」

もちろんリスクだってあります。骨髄提供による直接の被害ではないですが、全身麻酔のショックによりドナーが死亡した事例もあります。

ですが、1度考えてみてください。自分の大切な人が白血病にかかった時、目の間にHLA適合者がいたとして、「仕事が忙しいから無理」「痛そうだから無理」と言われたら納得できるでしょうか。

そんな状態で「お願いだから提供者になってください」と言えるのは、自身もドナー登録している方だけじゃないかと私は思います。

「やらない善より、やる偽善」

この言葉、決して好きな言葉ではありませんが、その通りだと思います。

理由は何でもいいのです。実際私はミーハーな理由で登録しましたので。

それでもその事実が人1人の命を救うことがあります。

どうか1度だけでも、このことについて深く考えて頂けたら幸いです。

最後になりますが、実は私自身、登録を抹消されました。

それは癌の手術の際、自己血だけの輸血では足りず、提供された血液を輸血したからです。

その影響で献血も今後は一切できません。

骨髄バンクのドナー登録が抹消された時は、尊敬する彼との繋がりが絶たれたようで非常に悲しくなりました。

自分自身で今後骨髄提供ができない代わりではありませんが、このブログを読んで1人でも考えて下さる方がいることを祈って。

それでは、また。

 
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